2009年9月16日水曜日

無いとこ狙いは不純か

「とにかく他人がまだやっていない事をすれば良いんだ」
なんて考えは安易で軽率であり,本質を見失ってる。

と言うのが今までの俺の考え方の根底のひとつとしてあった。
無いとこ狙いというのは周囲の既存物次第で左右されるわけで,
それでは「自分が無い」という事になるのではないかという考えからだ。

でも果たしてそうだろうかという疑問が沸いてきた。

ものづくりの根本的な目的としては共通してアイデンティティの獲得というものがあると思う。
たとえば「他人を喜ばせたい」という事が動機であっても,それにより社会生活において自分自身の存在価値が肯定されるという見返りがあり,これが一切なければ成立しないだろう。

つまり,他人がまだ誰もやっていない事を追求するというのはある意味,自分の存在価値を見出すための方法としてはより純粋と言えるように思える。
なので,この作品はどういう意図で作ったの?という質問に対して,
「他に誰もやってないから」と言うただそれだけの答えが返ってきたとしても,そういう精神でのものづくりも歓迎できるし理解できると思った。
もちろんそれを受け取った側の良し悪しの判断は全く別の話になる。

そういう考え方もあるよね,という話でした。

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