国立国際美術館で永沢英俊展と所蔵作品展を観てきた。
当初の目的はうちの学校の先生の作品が展示されている大阪府立現代美術センターのgallerism2009だったんだけど,
行ってみるとビルの1フロアでのギャラリーで,不覚にも日曜休館で観る事ができなかったため,急遽予定を変更する事となった。
しかし携帯電話やフライヤーを自宅に忘れてきてしまっていたため道に迷い,
誘った友人に甚大な迷惑をかけてしまった。
せめてもの償いとして彼に昼ご飯を奢らせてもらい,やや平静を取り戻す事ができた自分。
永沢英俊展でインパクトがあったのが,細い隙間から唯一弱々しく光が漏れているのみの真っ暗なだだっ広い部屋にいくつもの大理石の柱が立ち並ぶインスタレーション「オーロラの向かう所-柱の森」。
展示室に入ると,目が慣れるまでの間しばらく壁づたいに部屋を歩くようにギャラリースタッフに指示され,恐る恐る暗闇の中を歩く。
歩み進めると,唯一の頼りである光が物陰に遮られ,瞬間 視界がゼロになり戦慄を覚える。
光から目を離すと完全な闇に包まれ,距離感を失い,方向感覚すら疑わしく思えてくる。
当たり前にいつも身の周りに存在していた世界から切り離され,自分がいかに無力かを思い知らされる。
しかし徐々に目が慣れてくると,一面に広がる列柱が目の前に出現し,取り囲まれる。
暗闇の恐怖からの解放により,地平に続くかのように思える柱の連続が神々しくも見えた。
それ以外はあまりピンと来ない。
あんまり,ああいう作品はギャラリーで展示しても真価を発揮しないのではと思う。
その作品単体をマジマジと鑑賞するのではなく,日常風景に忽然と存在しているからこそ異様な空間や,リズムを演出する事ができるのではと思うから。
事実,本来は屋外で展示されて居る作品を持って来ているものが多い。
所蔵展ではファーブル昆虫記のジャンアンリファーブルのひ孫のヤンファーブルが作った,昆虫でできた鎧があった。
代々昆虫一家なのね。と思った。若干くさかった。
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