2009年12月23日水曜日

庵野秀明監督作品の実写映画「式日」をみた。

式日の内容はというと,テレビアニメ版新世紀エヴァンゲリオン放送終了以降の2000年公開の映画なんだが,アニメ監督という肩書き以前に映画監督としての庵野秀明に触れる事ができる作品だった。
過去や現実からの逃避の果てに,自分の妄想で彩った世界に閉じこもる少女と,現実逃避としての側面も持つ「作品づくり」で現実(ストレス)とぶつかり,また作品づくりでしかこの世界と関わる事のできない,作家なら誰しもが持つ苦悩を抱えた男性(映画監督)とが出会い,一言で纏める事のできない複雑な拒絶と接触と渇望を経て二人の世界との関わり方が変化していくという話。
少女の生き様は浮世離れしていながらも,現代人なら誰しも共感しうる社会との係わり合いの中での自己肯定と欺瞞がベースとなっており,生々しく響いた。(少女の食費もろもろの財源はどこから捻出されているのかという疑問は浮かんだが)

エヴァンゲリオンの後に製作された映画とはいえ,この映画で掲げた庵野秀明のテーマ性はエヴァンゲリオンの中にも顧みる事ができ,よりエヴァンゲリオンで描きたかった事も見えてくる。

余談だが主演が岩井俊二と原作も手掛けてる藤谷文子なんだけど
藤谷文子って見覚えあるな…というか会った事あるじゃねーか!と思い最初出てきたときは鳥肌がたった。
2年前バンドデシネ原作者のアトリエでのパーティに彼氏の寺田克也氏と来ていたのだ。
演技力はかなり高かったのだが,その時はセガールの娘くらいの認識しか持っていなかったのでもっと早くこの映画を観ていたら…と思った。
この映画の藤谷文子は土屋アンナみたいで相当美人だった。
大竹しのぶの演技も良かったのでお勧めの作品。

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