船上の祭りから少し離れた人けのないラウンジで
僕は彼を宥めるように抱きしめると彼は抱きしめ返してきてくれた
内側に入っていた腕を外に回して肩からもう一度強く抱きしめて首筋の匂いをかいだ
僕は彼に口づけをした
彼は僕の事を優しくないと言った
僕らは祭りの屋台でたこ焼きを買った
たこ焼き鍋というものを彼は買った
屋台はもう締まり際で店主のおばさんは少し怒っていた
待ち合わせ場所で対岸に目をやると
時刻どおりに崩れ落ちた橋で多くの人の悲鳴が遠く聞こえた
峠沿いの城のハリボテが倒れて空から爆弾の雨が降った
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